株式会社小野組
DX推進の有効な方策としてDREPを活用、
約3カ月間で全社員の9割が受講
現場での経験からデジタルの重要性を実感
大野氏は1997年に株式会社小野組に入社し、これまで主に河川関連の公共事業を担当され、新潟支店の副支店長等を歴任しながら現場代理人や監理技術者として活躍されてきました。
「土木・建築の分野ではBIM/CIM※1やICT建機※2など情報化施工が普及し、デジタルリテラシーの基礎をしっかり固め、積極的に活用することが必然であると感じます。とくに私が経験した中では、浚渫(しゅんせつ)にICT建機を導入し、目に見えない川底の作業で履歴情報を活用して効率が上がりメリットを実感しました。ただ、若手社員はデジタルが得意な人が多い一方、私を含め年配社員は『必要性は重々承知しているけれど、自分で使いこなすのは難しい』という風潮がありました」
そう語る大野氏は2026年6月より現職に就任し、業務のデジタル化や人材育成に取り組まれています。小野組ではトップ層をはじめDX推進への意識が強く、たまたま同業他社との勉強会でDREPを紹介されたことをきっかけにDREPの導入に至りました。

株式会社小野組
執行役員
DX推進情報管理室
プロジェクトリーダー
大野 智也 氏
※1 BIM/CIM(ビム/シム Building / Construction Information Modeling, Management)
建設プロジェクトで取り扱う情報をデジタル化することで、調査・測量・設計・施工・維持管理等の各段階に携わる受発注者のデータ活用・共有を容易にし、事業全体におけるシステムの効率化を図ること
※2 ICT建機(情報通信技術活用建設機械)
GPSや3次元設計データ、センサーを搭載した油圧ショベルやブルドーザーなどの重機のこと
現場での経験からデジタルの重要性を実感
長年にわたり製造業分野で経験を重ね、2025年に小野組に入社、現在は社内のシステム管理とDX推進を担う伊藤氏はこう話します。
「年配でもデジタルに詳しい社員もたくさんいる一方、若手はデジタルの『ツールとしての使い方』には馴れているけれど、『その中で何が起こっているのか』を知らない場合が多いと感じます。コンピュータがどのように動き、何がメリットで何がデメリットなのか。デジタルの根本を理解していないと本当の意味での活用は難しい。そうした中で、各自の理解度に合わせて受講できるDREPは非常に有効だと思います」
小野組では2025年12月にDREPを導入し、2026年2月から本格受講が始まり、約3カ月間で全社員の9割以上が受講され、Stage3を修了される方も多くなっています。

株式会社小野組
マネジメントシステムG 総務S
ユニットメインリーダー
DX推進情報管理室
伊藤 龍 氏
繰り返し見直すことで、知識が自分のものに
ご自身がDREPを受講された率直な感想をお聞きすると、両氏ともに実感されたのは「内容が充実していて、幅広く網羅されている点」でした。その上で大野氏からは「デジタルが苦手な人向けに、専門的な部分をかみ砕いたカリキュラムがあるとスムーズに階段を上がっていけると思います」とのご意見も。伊藤氏からは、「用語解説がワンクリックで表示されるところや、動画ではなく自分のペースでテキストを読み進められるところが便利でした」とPhase3の改善点を評価していただきました。
また、大野氏は受講後にこんな変化があったといいます。
「個人的には意識が変わったと思います。例えばDREPでAI活用のきっかけに触れ、そのあと自分で専門書を入手し、知識を広げるようになりました。また、受講後に忘れてしまう内容もあるので時間をおいて再度挑戦したり、『あのカリキュラムにヒントがあったかもしれない』と調べ直したり、繰り返し活用することで確実に身に付く知識があると感じます」
DREPは今後も各所をブラッシュアップし、コースの追加なども実施する予定です。何度も繰り返し活用いただくことで、新たな発見につながるかもしれません。
受講者の関心を高めるには
DREPについて社内での反応や課題をお聞きすると、「得意な人は面白がって先に進んでくれる一方、苦手意識がある人にどう関心を持ってもらうかが今後の課題です」という大野氏。「とくに若手は自分で業務を組み立てることが少なく、デジタルを活用する場面自体が少ない。実際にどんなメリットがあるか理解できれば、もっと貪欲に知識を吸収したいと思ってくれるはず」と話します。また、すでにAIを使っている場合でも、この業務にはどんなAIが最適なのか、”AIの使い分け”を見極める力が重要と指摘します。
さらに伊藤氏はこう続けます。
「受講にあたって何かインセンティブを考えても良いと思いました。通常業務と比べ優先度が高くなりにくいので、より積極的に取り組んでもらう運用体制が必要かもしれません」
こうした課題はどの組織にも共通するもので、それぞれの組織で多様な受講スタイルが広がっています。
DREPのさらなる活用でDX推進を加速
最後に、DREPの管理者側と受講者側の両方を経験された視点から、DREPに期待することをうかがいました。
「どの業種も同じですが、社会環境の変化に順応できない組織はしだいに淘汰されていきます。それを回避するためにデジタルは不可欠ですから、DREPのようなプログラムで学習することはますます重要になるでしょう。今後は経営面でもAIを活用するカリキュラムが新設されると聞きましたので、より一層役立つのではと楽しみにしています」と大野氏。2026年10月からスタートするPhase4への期待を伝えてくださいました。
伊藤氏は、「専門的な内容で難しい部分も多いですが、カリキュラムの中で土木・建設系の例題が出てくると非常に取り組みやすいと感じました。それから、北海道以外の企業もStage4が受講できるようなので、ぜひ挑戦してみたいです」と意欲的に語ります。両氏の力強い言葉にはDX推進に向けた熱意があふれていました。
